うみのおさかなのいろいろ@東上本出の日記

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うみのおさかな以外の話題がメインになってしまったブログ主の○○やってみたシリーズ。水槽の更新再開しました。

ゲンロクダイの餌付けは難しい


チョウチョウウオの餌付けは、雑食<プランクトン食<ポリプ食の順で

難しくなります。ゲンロクダイが自然界で何を食べているのかは詳しくは

分かりませんが、おそらく底生の小型甲殻類やゴカイ類だと思われます。

雑食性のチョウチョウウオであるゲンロクダイは、

餌付けが簡単な部類に入ると思われがちですが、実際そうでもありません。

他サイト様でゲンロクダイを飼育されている方も、

餌付けには苦労されているようでした。


餌付きにくいチョウの餌付けには飼育者の根気がいる

いきなり人工飼料を食べてくれるチョウチョウウオはなかなかいません。

始めは殻付き冷凍アサリ(又は生アサリ)を与えます。

アサリは非常に嗜好性の高い餌のため殆どのチョウチョウウオは

食べてくれるはずです。ただしアサリは大変水を汚しますので、

いつまでもアサリを与え続けるわけにはいかなくなります。

アサリを冷凍する理由としては、第一に保存性、

第二に身が殻から剥がれにくくなるためです。

チョウは殻から剥がれた身に一切の興味を示さないのです。

人工飼料に餌付ける次のステップとして、アサリをミンチにし

殻に塗り付けて与えます。ただし、アサリミンチも大変水を汚します。

小さなトリートメントタンクで隔離しながらの餌付けの場合、

毎日水替えをしなくてはいけない程です。そこは飼育者の根気です。

アサリミンチも問題ないようであれば、次は練り餌を与えることになります。

完全にミンチにしたアサリに人工飼料を混ぜ、

包丁でハンバーグ状になるまで叩きます。

人工飼料は赤メガバイトのSを使用しています。

このようにぐちゃぐちゃの状態になるまでひたすら叩きます。

初めのうちはアサリの比率を多くし、徐々に人工餌の配合率を増やしていく

といった方法で、人工飼料の味に慣れさせていくのです。

出来上がったハンバーグはアサリの殻のディッシュに乗せ冷凍しておきます。

某ハンバーグレストランび○くりド○キー風味に命名

「メガバイトバーグディッシュ」なんてどうでしょうか。

試しにできたてを与えてみたところ…

パクついてくれました。皿(アサリの殻)の上に盛りつけてあれば、

人工飼料100%練り餌でも食べてくれそうな雰囲気です。

人工飼料100%練り餌を食べるようになったら、

そのままの形の人工飼料を与え、食べるようであれば餌付けは成功です。

この練り餌も大変水を汚しますので、与えたら必ず水替えをしなくては

ならない程です。痩せさせないために毎日の給餌は欠かさず行わなくては

ならないので、まだしばらくは毎日水替えをすることになりそうです。

ゲンロクダイの白点・エラムシ治療

ゲンロクダイは導入当初白点病を発症していたため、

トリートメントタンクでの薬浴を行いました。
体表にも白点が付いており、中期症状といえます。

この状態からは自然回復は見込まれないため、治療を行います。


魚を飼育していると、必ずといって悩まされる病気「白点病」ですが。

海水魚と淡水魚では発症の原因となる繊毛虫が異なります。

海水魚における白点病はCryptocaryon irritans

(クリプトカリオン・イリタンス)という繊毛虫の一種が

魚体に寄生することによって発症します。

毎日ある時間帯に全換水をすること

C. irritansの生活環にはトロホント、プロトモント、

トモント、セロントの4つの状態があり、

魚体に白点として見えているものはトロホントと呼ばれる状態です。

それ以外の状態では肉眼で観察することはできません。

魚体に寄生したトロホントは最短3日で魚体を離れます。

トロホントが魚体を離れる時間は、C. irritansの体内時計で

決まっており、午後6時から深夜0時ぐらいの間と言われています。

このタイミングで水槽を全換水し、水槽を洗浄することができれば、

水槽内の白点虫を徐々に減らすことができます。

当然、その日は魚体を離れなかったトロホントもいますので、

この方法で白点病を治療するには、白点のサイクル的に

最短でも一週間はかかります。

全換水を行う際は、換水前の水と比重、温度に差が出ないよう気を付け

可能であれば水合わせを行った方がベターです。

淡水浴を行うという手もありますが、淡水浴は魚体についている状態の

トロホントにしか効果がありません。


淡水浴

淡水浴をすることで一部のトロホントには効果があるとは思われますが、

当然魚体を離れているC. irritansには効果がありませんので、

あくまで補助的な治療の方法として考えた方が良いかもしれません。

淡水浴はチョウチョウウオやハナダイ等にはできませんので、

半海水浴を行うことになります。

行う際は魚に体力が残っていることを見極めて実施の有無を判断してください。

リスクの高い治療なので、ハイリスク、ローリターンな治療でもあります。

別に、淡水浴は行わなくても治療はできますので、自信がない場合は

しなくていいと思います。現に今回の治療では実施していません。

まとめ

1.魚体から離れたトロホントは夕方から夜の全換水で根こそぎ


2.シスト(トモント)を除去するために水槽は洗剤でよく洗う


3.淡水浴・半海水浴はあくまで補助的な治療方法



グリーンFゴールド(GFG)を使用した薬浴

細菌性感染症用魚病薬であるグリーンFゴールド顆粒を使用する方法です。

説明書には海水魚への使用は不可とありますが、近年では

海水魚にも使用する流れがあり、実際に治療法として確立されています。

投薬量は、説明書に書いている用量の2分の1以下です。

繊毛虫や細菌等、無脊椎動物に対して毒性のあるものなので、

治療は魚専用水槽またはトリートメントタンクで行う必要があります。

活性炭などの吸着濾材はGFGの効果を薄めてしまうので抜いておきます。

魚水槽で濾材を使用している場合は濾過バクテリアに

ダメージがあることは必至ですし、長期の使用は魚体へのダメージも大きく

リムフォシスティス病になりやすくなる副作用も報告されているようです。

やや低比重(1.016~1.018)にすると効果が高まるようですが、

ミノカサゴ等、低比重に弱い魚もいますので注意が必要です。

前項の毎日全換水する方法と併用することで、飛躍的に効果が高くなります。

全換水や、GFG投薬治療の詳しい方法については

他サイト様で詳しく説明されていますので、

ここでは詳しい説明を割愛させていただきます。
 
GFGを溶かした飼育水はこのように黄色味がかった色になります。

毎日換水することが前提なので、濾過は行わずエアーレーションのみです。

魚が入った水に直接GFGを溶かしたりせず、ペットボトルに飼育水を汲み、

GFGを規定量の半分入れてから混ぜ、混ぜた水を飼育水に溶かす

といった方法をとった方が良いかと思います。


白点キラー

松橋研究所から白点キラーなるものが発売されています。

写真はサンゴ水槽用ですが、魚水槽用もあります。

まだまだ臨床例が少なく、魚水槽用の白点キラーでは魚が死んでしまった

等の報告が他サイト様ではありましたが、サンゴ水槽用の白点キラーは

無脊椎にも使える分、効果が弱いため

魚に対し効きすぎるということはなさそうです。

実際LPSサンゴ水槽で使用しましたが、一部のサンゴ(トサカやアワサンゴ)

が開きが悪くなり、少し溶けてしまうといった症状があったため、

サンゴ水槽での使用は可能な限り控えた方が良いのではないかと思います。

一方、魚に対しては効果が強すぎるということはないので、

例え病気が出ていなくても、サンゴ水槽用の白点キラーを定期的に

魚水槽に投入することで様々な病気の予防として効果がありました。

現に私の魚水槽は1年以上白点が出ていません。

魚水槽用の白点キラーは効果が強すぎて心配だという人は、

少々値段が高くなりますが、サンゴ水槽用の白点キラーを購入し、

病気の予防策として定期的に水槽に投入すると良いと思います。

GFGと同様に魚病薬として使うならば、魚水槽用の白点キラーは

効果が高い製品だと思います。

今回のゲンロクダイの白点病治療では薬浴を終了した段階で、

サンゴ水槽用の白点キラーを規定量投入し、再発を防止しました。

治療完了後のゲンロクダイ。白点が無くなりお肌もキレイ。

エラムシ治療

白点は治ったのにどうもそわそわして首を振ったり背鰭を立てたりして

落ち着きがない、ライブロックに体を擦り付けたり

しまいには片方のエラが動いていないなんていう場合は寄生虫の仕業です。

ホームマリンアクアリウムにおける主な寄生虫といえば

エラムシかハダムシですが、以前東上は判断を誤り、

ソメワケヤッコのエラムシをハダムシと思い込んで

間違った治療法を行い続けた結果、お星さまにしてしまいました。

今回はその教訓を活かし、ゲンロクの症状をエラムシと断定し

オキシドール浴を行いました。

オキシドール浴の方法は、他サイト様の方が考案した方法で行いました。

ここで紹介すると無断転載になってしまいそうなので、

もし方法を知りたい場合は「エラムシ 治療」でweb検索してください。

今回1回のオキシドール浴では治らなかったため、2回行いました


今回紹介した治療方法に関して、

この記事を見て実際に行っていただく場合があると思いますが、

何があっても一切の責任は負いませんので、ご了承ください。

はじめてのチョウチョウウオ飼育は元禄鯛から


ゲンロクダイ
Roa modestus

ゲンロクダイは温帯種のチョウチョウウオで、比較的深い水深に生息しています。

この個体は和歌山県紀伊大島の養殖イケスから採取されたものを譲り受けました。

あまりショップには入荷されない魚なので、

アクアリウムシーンでは珍しい魚かもしれません。

白地に黄土色の横縞模様が渋カッコいい魚です。

チョウチョウウオなので白点病にかかりやすいため、

十分に気をつけなくてはなりません。導入時に白点を発症していたため

グリーンFゴールド+低比重+連続換水でトリートメントを行っています。

餌は冷凍の殻付きアサリを与え、徐々に人工飼料に慣らしていきます。

チョウチョウウオの飼育は初めてなので、うまく飼えるか分かりませんが

長く飼えるよう頑張っていきます。

うみのおさかなのどうが



大学の授業で制作した動画を再編集したものです。

やっつけで作ったものなのでクオリティは察し…

あーーーーーーーーまた★になった

バイカラーが…

       チーン

ここのところ立て続けに生体を落としています。

5日ほど家を空けて帰ってきたらこの有様です。

目立った外傷や白点などは無いですが、

腹周りがかなり痩せているように見えます。

以前から寄生虫と思われる首ふり症状があったので、

ハダムシの寄生だと思い淡水浴を行っていたのですが、

どうやらハダムシではなく

エラムシに罹っていた可能性があります。

エラムシの治療に淡水浴は殆ど効果が無いといわれています。

エラムシに寄生されると、首ふり症状のほかに

血を吸われるため、給餌を抜くとすぐに痩せます。

5日間無給餌状態だったために限界に達してしまったようです。

エラムシの治療には、希オキシドール浴が有効とされていますが、

今回のように飼育者の知識不足により、病気に対する対処法を間違えると

生体の死亡に繋がります。初心者の飼育にありがちなことです。

このソメワケヤッコは自家採集個体だったのでかなり愛着があったのですが、

9か月の飼育記録に留まってしまいました。

仕方ないのでまたケントロヤッコをがんばって採集してきます。

エダアワサンゴが…

すばらしい色揚がりを見せていたエダアワサンゴですが、

色揚げが度を過ぎるとサンゴは不調に転じます。

気づいたらポリプが溶けて無くなってました。

コエダナガレハナとの接触も原因の一つかもしれません。

刺胞毒最強の部類に入るナガレハナに対し、

刺胞毒最弱のアワサンゴの水槽内での混在は難しいということです。

完全に白化してます。ウチのLPSの中では最古参のエダアワでしたが、

飼育記録は1年4ヶ月で終了しました。

ここのところ生体の死亡報告ばかりで残念な水槽ですが、

できるだけ現状を維持できるよう頑張っていきます。

なにしろ資金不足で生体を購入できないので…

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2014年10月、小笠原諸島父島へ行って参りました。シュノーケリングに海水魚採集、魚突きと、海の遊びを満喫した滞在でした。ユウゼンやレモンピールエンゼル等、日本では小笠原でしか見られない魚種と出会うことができました。小笠原諸島で海水魚採集をする際の解説や注意点はこのリンクをご覧ください。



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