小笠原諸島は、日本の中でも有数の空の暗さを誇ります。
東上は、星景撮影を始めてから大台ヶ原、四国カルストなど空が暗い場所を
何度か訪れてきましたが、今までで最も空の暗い場所だったように思います。
もちろん、大台ケ原やカルストもすごいのですが、
全方位満遍なく暗いというのは意味では、
太平洋上の島に軍配が上がると思います。
光害を地図にした、
Light pollution mapというサイトがあります。
空の暗さを色で表現しているので視覚的に分かりやすいです。
画像は、父島の光害の様子ですが、港や集落のある大村地区を中心に
多少の光害があるようですが、大村地区からでも普通に天の川が見えます。
とはいえ、せっかく星を見るのであれば、光害のより少ない島の南部で
車でアクセス可能なコペペ海岸や小港海岸、洲崎がおすすめです。
洲崎海岸
象鼻崎という岬を眺めるロケーションの海岸です。都道240号線を
扇浦のT字路で小港方面に曲がらず、直進すると行き止まりにある場所です。
車で海岸のすぐ横までつけることができアクセスも良いです。
舗装路が終わり、未舗装路の広い場所に出ます。夜はほかの撮影者の
方がいるかもしれませんので、減光しながら気を付けて進入しましょう。
象鼻崎と夏の天の川、最初後述のコペペ海岸から撮影していたのですが、
台風による南からの湿った風が、中山峠を駆け上がる際に気温が下がり
露点に達してしまったために雲が大量に発生していました。
そのため、コペペ海岸の南天は、曇っていました。そこで少し東側の洲崎に
行ったところ、何とか雲が天の川にかからずに撮影することができました。
洲崎からも、象鼻崎で上昇気流が発生し陸地上空に雲が発生していました。
父島で南の空をクリアに見渡すためには、風が湿っていないことと
あまり風が吹いていないことが条件になりますね。(どこでもそうですが)
コペペ海岸
こちらも車でアクセスしやすい海岸です。
トイレもあるので好条件な撮影場所になります。
南風がある場合、中山峠にぶつかった風が上昇し雲が発生します。
そのため、ちょうど天の川を隠してしまいます。
南国っぽい屋根付きの休憩所が、趣あるシルエットを醸し出しますね。
やらかしました。ペルセウス座流星群の火球を狙っていたのですが、
ピント合わせ中に流れるという痛恨のミス。星撮りあるあるです。
番外編 おがさわら丸から星景写真
船上からの星撮りは難しいです。なぜなら船自体が揺れるからです。
そのため、シャッターを切る時間は1秒から2秒程度に抑え、
その分絞りを最大限に開放(F1.4)、そしてISOは禁断の12800です。
ISO12800でも破綻しない性能のボディと、高価な大口径単焦点レンズが必要な
ため、あまりお勧めしません。沼にハマっている方はどうぞ。
おがさわら丸に乗って撮影しているんだぞ、ということを
アピールしたいがゆえに、船体の一部を入れて撮影するのですが、
船体は照明に照らされているため、写真に写すと真っ白になってしまいます。
写真は加工することが前提になります。
2014年の写真を加工してみた
国立天文台VERAと秋の空。この時はEOS60Dにキットレンズだったので、
ノイズが酷いです。絶対に拡大して見ないでください(笑)
小笠原諸島は、環境省の呼びかけで実施されていた「全国星空継続観察」で
平成22年に小港海岸、23年にはコペペ海岸が「日本一の星空が見える場所」
という栄誉に輝いたという実績がある場所ですので、
綺麗な星空を観察したいという方にとって間違いはありません。
ただ、星撮りのためだけに訪れるのは勿体ないですので、
ダイビング、シュノーケリング、ドルフィンスイム、釣りなど海の遊び
と合わせて星撮りが趣味の方、ぜひお越しください。
http://laytrack.blog.shinobi.jp/%E6%98%9F%E6%99%AF%E6%92%AE%E5%BD%B1/2021%E5%86%8D%E3%81%B3%E3%81%AE%E5%B0%8F%E7%AC%A0%E5%8E%9F%E8%AB%B8%E5%B3%B6%E3%81%B8%E2%91%A1%E6%98%9F%E6%99%AF%E6%92%AE%E5%BD%B1%E7%B7%A82021再びの小笠原諸島へ②星景撮影編