普通二輪免許を取って1年半、CB400SBに乗りはじめて早1年。気づけば日常の足として原付免許を取ってから、バイクに乗る愉しさを覚え夜中に原付で走り回っていたこともありました。やがて原付の鈍足さに飽き、普通二輪免許を取得して45万の貯金を叩いてCB400SBを購入し、この1年で13000km近く走行していました。
CBに乗りはじめた頃は日本の道路を走るなら400ccもあれば十分だと考えていました。確かに4秒も有れば時速100km/hに軽々と到達する動力性能、ぬゆわkm/hを越える最高速は確かに必要十分といえます。しかし、ロングツーリングで高速道路を使う機会が多い東上は、400cc4気筒のネイキッドでも不満を感じるようになりました。
不満な点時速100km/h巡航の回転数が高い(6速/6300rpm)高回転型のエンジンなので100km/h巡航時の回転数は6300rpmと高めです。
ロングツーリングになるとこの回転数を維持して走るには、
体力を多く消費してしまい、なかなか航続距離が伸びません。
ウインドプロテクションが想像してたよりも弱いハーフカウル付のボルドールはスーフォアよりは風を避けてくれますが、
それでも胸から上は風が当たり、疲労感に繋がります。
荷物を積載した時の安定感の無さキャンプツーリングで荷物をフル積載した時の安定感の無さは軽い車体の
小排気量車ならではだと思います。横風に非常に弱いです。
荷物フル積載の鳴門大橋は死にそうになりました。
以上の点は大型バイクに乗り換えることにより解消することは明らかです。排気量が大きければ100km/h巡航時の回転数は下がり楽になります。車体が大きくなればカウルが大きくなりウインドプロテクションが増します。車体の重量増は安定感に貢献します。ならば大型バイクに乗ればいいじゃないか。でも…
東上は免許を持っていないのです。中免小僧なんです。というわけで、まずは大型自動二輪の免許を取得することにしました。
そこで気になるのが教習料金ですが、東上が住んでいる奈良市周辺の自動車学校の大型二輪(普通二輪MT取得済み)教習料金を比較してみました。
※2015年1月現在
教習所 | 教習料金 | 備考 |
奈良自動車学校 | 69943円 | 最寄りの教習所 |
法隆寺自動車教習所 | 69660円 | |
阪奈自動車教習所 | 81210円 | 阪奈道路降りてスグ |
近畿自動車教習所 | 56100円 | 学生割引3000円 |
八戸ノ里ドライビングスクール | 56570円 | ネット割引3000円
|
ネヤガワドライビングスクール | 60300円 | |
価格は全て税込で、安心パック(補習料なしプラン)の料金です。この表を見ると、奈良の最寄りの2つの教習所と、阪奈を超えてすぐの所にある阪奈自動車教習所は教習料金が高いです。一方、近畿・八戸ノ里・寝屋川は良心的な価格設定です。八戸ノ里は一般の人でもインターネットで事前申し込みすることで上記価格からさらに3000円割引となっており、近畿一円の教習所のなかでは最も教習料金が安いのではないかと思います。但し、八戸ノ里は普通二輪の免許を持っていないと大型二輪の教習は受けさせてくれないので注意してください。
というわけで東上は
八戸ノ里ドライビングスクールに通うことにしました!(八戸ノ里に通うガソリン代を考えても奈良自より安いと踏みました)八戸ノ里ドライビングスクールの大型二輪(MT)教習車 この教習所の大型二輪MTの教習車は
ホンダNC750LハーレーダビットソンXL883Lの2種類です。なんとも珍しいハーレーの教習車があり、教習所もこれを宣伝文句にしているようです。教習はどちらのバイクで受けても良いのですが、ハーレーに乗って教習を受けている人は殆ど見たことがありません。なぜならハーレーは非常に低速走行・低速時のバランス保持が難しいからです。タンクの形状上、ニ―グリップがしにくく、教官もこれで教習を受けることはあまり勧めないと言っていました。アイドリング発進が余裕で出来るほどトルクが太く、883に乗ったあとにNCに乗るとNCはスカスカトルクに感じます。ハーレーらしいエンジンの鼓動は教習車でも健在で、本当にハーレーが好きな通人(信者)はこれで教習を受けるのだと思います。
NC750Lが入る前までは、ここのメインの教習車はXJR1300だったそうですが、あまりの重さに教習生はさぞ取り回しに苦労したことでしょう。しかし、私のように普段普通二輪に乗っていて大型に乗り換えたらリッターオーバークラスに乗り換えを検討している人のために、3台ぐらいは残してほしかったものです。XJRは登場から数年でNCに置き換わり全て廃車となりました。NCでは性能がCBと大差ないのでほとんど練習にならなかった様な気がします。
CB400LとNC750Lの性能比較 CB400L 今や教習車もVTEC付のRevoが採用されている
普通二輪 CB400L 車両重量195kg+15kg? 最高出力38ps/9500rpm 最大トルク3.3kg・m/4500rpm | 大型二輪 NC750L 装着重量227kg 最高出力37ps/5250rpm 最大トルク5.5kg・m/4000rpm |
スペック上の差をみても最大トルク以外は大差ないように思えます。教習の一番初めに引き起こしをやったのですが、NCは非常に軽く拍子抜けしてしまいました。最高出力に関しては最早CBに負けています。もともとのコンセプトが速く走るバイクではないので仕方ないですが。
指導員について3年程前に八戸ノ里ドライビングスクールの大型二輪教習を卒業された、
Kazz-Bonさんのブログを見ていると、どうやらイヤな教官がいるらしく身構えていたのですが、以前に比べて丸くなったようで特に嫌な思いはしませんでした。私はどちらかというとkazz-Bonさんがクセのある教官と言っていた前者のほうが苦手でしたが、その辺は人によりけりなのではないでしょうか。女性の教官もいるようで、その方をはじめほとんどの教官は愛想のいい人ばかりでした。私が普段普通二輪に乗っていることもあるのか、あまり教習中に口出しはされませんでした。こちらから質問すれば答えてくれます。
いざ教習へ 八戸ノ里ドライビングスクールの二輪教習は、胸部・肘・膝のプロテクターを付ける決まりになっています。始めのうちは少々動きにくいですが慣れれば課題に支障はないでしょう。私が普通二輪免許を取った奈良自動車学校ではプロテクターなどつけませんでしたし、貸し出し用のヘルメットはいろんなオッサンが被って臭くなったものしかありませんでしたが、八戸ノ里はヘルメットは教習後乾燥機で乾燥させているので幾分かマシでしょう。準備ができ教習3分前になったらコースにでて準備体操をします。準備体操が終わったら、指導員に本日の内容の説明を受け、バイクに乗りこみ発着点に並びます。教習生全員が揃ったら指導員先導で外周コースを5分間走るウォーミングアップをします。
NCの教習車は、前の時間誰も乗っていなくてエンジンが冷えている状態だと非常にエンストしやすいです。私はエンジンを始動して発進させるときにアイドリング発進しようとして結構エンストさせていました。暖機を行うという意味でもウォーミングアップは大事です。
1時間目/12 大型二輪教習第一段階1時限目は車の取扱いと発進と停止の仕方です。いちばん最初にやるのはおなじみバイクの引き起こしです。これに関しては体力の無い女性でない限りほとんどの方は起こせるので心配要らないです。NC750Lの装備重量は227kgと軽いのでCBと同じ感覚で起こせます。発進と停止はコースの外周をぐるぐる回り発着点で一旦停止し、また走り出すといった流れです。
2時間目/12 2時限目はハーレーXL883の体験をしました。ハーレーは日本車とは構造が違うところが多く、ウインカーは左右独立式でメインキーを挿すところはフロント右側にあります。クルーザータイプに乗るのは初めてだったので、ステップの位置に戸惑いました。指導員に、こっちの方が気に入ったら次の時間からハーレーでやってもいいよと言われましたが、はっきりいってこっちで受けるのはアホでしかありません。日本の教習所の乗り方には全くと言ってそぐわないですし、このステップの位置でどうやって波状路の課題をするのだろうと疑問に思いました。
3時間目/12 この時限から課題の練習が始まります。S字カーブ・平均台・クランク・スラローム・坂道発進の練習を行います。課題コース「S字→平均台→クランク→スラローム」を重点的にやります。NCとはいえ大型でやる初めての平均台だったので、初めのうちは落ちまくりましたが、どうやら原因はステップに乗せた足が、ガニ股のように外を向いてしまっているからだと指導員に指摘されました。目標タイムである10秒はギリギリクリアできましたが、まだまだ不安たっぷりです。スラロームも普通二輪8秒以内→大型二輪7秒以内と難易度を増したので、7秒以内をクリアすることはできませんでした。
4時間目/12 この時間はAT車の体験を行います。使用するのはシルバーウイングGT(400)です。配車の関係か、スカイウェイブ650ではありませんでしたが大差はないでしょう。AT車でも同様に課題コースを走ってみましたが、やはり課題はやりにくいです。コツはMT車でいう半クラ状態はスロットルをブィンブィンと煽ることで同じ状態になるので、Sカーブの入口(小旋回)や平均台の上、クランクの角ではそのテクニックを使うことです。AT車はスロットルレスポンスが悪いのでアクセルを煽って上手く切り抜けましょう。ただし、あまりATに慣れ過ぎると次の時間馬鹿を見ます。
5時間目/12 第一段階のみきわめです。この時間は4時限目と連続で教習を受けたのでAT車に慣れ過ぎて、NCの扱いに戸惑ってしまいました。Sカーブ入り口の小旋回では見事に曲がりきれず、パイロンの外側へコースアウトしてしまい、クランクではことごとく内側のパイロンを倒しという始末。こうなるとみきわめ落ちもあり得るのですぐに感覚を戻し修正。MTの人はAT車体験の時は課題をやらせない方がいいのではないかと思ってしまいました。平均台は1回落ちましたがなんとか10秒を超えるようになり、スラロームも7秒を切りました。みきわめは合格し第二段階に進みます。
6時間目/12 第二段階に入ると卒業検定第一コースの練習に入ります。急制動や波状路はまだやらずに、横を通過するだけですが、交差点の通過や障害物回避・踏切・坂道発進は実際の試験のコース同様の順番で練習していきます。コースを覚えてこないと怒られるので気を付けてください。
7時間目/12 この時間から急制動を入れた第一コースの練習に入ります。大型二輪では普通二輪と同様、40km/hから乾燥時11m、湿潤時14m以内に停止するという課題です。急制動に関しては普段普通二輪に乗られている方ならば乾燥時の停止に関しては問題ないと思います。
8時間目/12 ようやく波状路の練習に入りました。指導員に教わる時にやり方が悪かったようで、なぜかものすごく怒られましたが、その後は何も言われませんでした。このころには平均台やスラロームは基準タイムを楽に越せるようになっていました。正直言って波状路にコツなんかありません。普通に通過すればいいのです。タイムも概ね5秒ですし、通過不能にさえならなければいいのです。
9時間目/12 この時間は回避の体験と卒検第二コースの練習を行います。回避は指導員が挙げる旗の色を見て左右に避けるというものですが、暗い時間帯は旗を挙げた方向に避けるという風になります。時間の関係で一回しかできませんでした。
10時間目/12 この時間はシミュレータ教習です。普通二輪の時にもやったお馴染み、キチガイだらけの街を走行するストレスマッハシミュレータです。毎度おなじみのマスツーリングなのにトラックの左側をすり抜けるバカライダー達やあり得ない動きをするチャリや歩行者。路線バスの癖に煽ってくるカス運転手やバイクを軽視するDQN四輪等、精鋭のキチガイ達がこちらへ突っ込んできますので見事に回避してドヤ顔してやりましょう。これをやった後に東大阪の道路を走ると疑心暗鬼になります、なぜならシミュレータと大差ないからです笑
11時間目/12 この時間は体験として小旋回Uターンをしました。NCなので余裕だろと思っていましたが、ところがどっこい全然ダメ…指導員がゆっくり回るのでついてきてくださいと言うので真似をしてUターンや8の字をするも次第に指導員に火が付いたのかの旋回のスピードが速くなり「ちょwおまw速すぎだろついていけねーよ」となり最後は曲がりきれなくなってカックンブレーキで停車、コケそうになるも足で支え持ちこたえました。
12時間目/12 いよいよ第二段階のみきわめですが、課題に関しては問題なくできていたので、ひたすら第一コースと第二コースを繰り返し練習し、ストレートで教習を終了。次はついに卒業検定です。
卒業検定
検定の際に合図を出しタイミングが分かりづらいと思うので写真を載せておきます。4輪の待合所にこっそりと掲げてあるので不親切です。
八戸ノ里ドライビングスクールの二輪の卒業検定は毎日朝8:25分から行います。もし落ちても再検定料は要りませんし、即日補習を受けて翌日再受験なんてこともできるので気楽に行きましょう。朝早い時間なので、平日は道が渋滞しています。時間に余裕をもって家を出ましょう。
さて、いよいよ卒業検定ですが、8:25分に集合しそこから検定の説明(コース発表・検定中止事項の説明)に入ります。そして、受験者の順番が発表されます。私が受けた日は平日で受験者は5人(大型二輪3人・普通二輪2人)でした。路面は夜に降った雨の影響で濡れています。急制動は14mになりました。検定コースは第二コースです。
「東上さん、トップバッターです」なんと、私がトップバッターとは。1番手はいちばん注目されるんです。平日の早い時間とはいえ他の教習生もいるし、他の受験者の付添いの人まで来ていてギャラリーは多めです。ですがそんなことは気にせずに集中です。使用する教習車は暖機運転がされタイヤも指導員が暖めてくれてあります。
いざ出陣。
まずはサイドスタンドを戻し、安全確認をして乗車。無線機の通信を確認し、ミラーを合わせエンジン始動。発進合図をし、まずは1周のウォーミングアップ。ここは採点の対象外なのでバイクの感覚を確かめる。
再び発着点に戻り試験開始。まずは発進合図をし左右確認、発進後外周道路に合流し3速までギアを上げカーブ手前でポンピングブレーキし、シフトダウン。バックストレートに入り指示速度の40km/hに到達し、再び減速。右合図を出しセンターラインによると、前方の横断歩道に4輪の教習生がいる。歩行者を妨害すると検定中止なのでここは停止し歩行者を先に行かせ右折。右折後信号機のある交差点を通過し坂道発進→踏切→見通しの悪い交差点をクリアし障害物回避。安全確認もバッチリ大げさにやったので問題なし。再び外周に出た後次は急制動、待機場所で一旦停止し、検定員の無線での合図の後スタート。3速40km/hまでスピードを上げる…
路面が濡れているので停止距離は14mだが、湿潤路面での急制動は初めてだったので緊張が走る
コーンを過ぎて一気に前後輪のブレーキをかけると後輪が見事ロック
ズシャガチャズチャシャーガッチャシャーーーーーーエンスト→押しがけ状態を繰り返す音が聞こえる。
後輪がロックはしたもののバランスは崩さず11m付近で停止。やはり湿潤路面での急制動は難しい。普段ABS車に乗っているので後輪がロックするのも初めて。
速度は問題なかったようで、試験を続行する。次はSカーブ、待合所からは大勢の教習生が見ているがプレッシャーに負けずクリア。波状路も5.1秒でクリア。問題は次の平均台。向かって右側は平均台の上に水たまりができていたので精神衛生上よくないと思い。左側ですることにした。呼吸を落ち着かせ発進。前輪・後輪共に平均台の上に乗る。半クラとブレーキを駆使しバランスを保つ。緊張していたためか普段よりも乗っている時間が短く、10秒ギリギリだった様な気がしたが落ちるよりはマシ。続いてクランク、内側がパイロンに接触しないように気を付けながら通過。クランクの出口でギャラリーたちと目が合うも気にせずスラロームへ。スラロームも普段より慎重に行ったせいか、7秒ギリギリだった。全ての課題をクリアし発着点に戻り停車の操作をし試験は終了。
終了後検定員が来て、「急制動でロックした以外は完璧でした」と言われたのでほぼ合格を確信し待合室に戻りました。
他の4人の受験者も無事検定を終了したようです。
合格発表「皆さん5人とも合格です!」やりました!ついに大型二輪免許取れました。もう中免小僧じゃありませんよ。
大型ライダーにはなれたけど、暫くはCB400だろうなー
ちなみに一緒に卒検を受けたある方はVmaxを買うそうです。羨ましい…
これから八戸ノ里ドライビングスクールで二輪教習を受ける方の参考になれば幸いです。最後まで読んでいただきありがとうございました。
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