東上はこの3年でさまざまな人工海水の銘柄を使用してきましたが、今回は今まで使用したことがある人工海水について、東上の個人的な感想を交えたインプレッションをお送りします。
今回は私が今までに使用した、テトラマリンソルトプロ・ライブシーソルト・レッドシーソルト・コーラルプロソルト・リーフクリスタルについてのインプレを書かせていただきます。
テトラ マリンソルト プロ
価格(安価であるか) |
☆☆☆☆☆ |
魚水槽での使用 |
☆☆☆ |
サンゴ水槽での使用 |
☆ |
溶けやすさ |
☆ |
保存性(固まりにくさ) |
☆☆☆ |
品質安定性 |
☆☆☆ |
テトラ社から発売されている人工海水。多くの小売店で販売されており、いちばん目にする機会が多いのではないかと思います。「すぐに溶ける人工海水」とパッケージに記載されていますが、個人的にこの塩は溶けにくいと感じました。パッケージに描かれているイラストからこの塩は、魚やイソギンチャク・ソフトコーラル向けであることがうかがえます。価格は安く、600Lバケツの物が5000円台後半、200×4(袋入り)計800Lの段ボール入りが6000円台前半の価格で入手できます。
製品ラインナップと価格設定は次の通りです。
- 楽々水替えパック10L×5 1000円前後
- 50L(袋)1000円前後
- 100L(袋)1000円台前半
- 200L(袋)2000円台前半
- 600L(バケツ)5000円台後半
- 800L(業務用(200L用袋×4))6000円台前半
テトラマリンソルトプロは、低価格かつ、必要十分の品質を持っているため海水魚飼育にあまりお金を掛けられないライトユーザーにもおすすめできる人工海水だと思います。
ライブシーソルト
価格(安価であるか) |
☆☆ |
魚水槽での使用 |
☆☆☆☆ |
サンゴ水槽での使用 |
☆ |
溶けやすさ |
☆☆☆☆ |
保存性(固まりにくさ) |
☆☆☆ |
品質安定性 |
☆☆☆☆☆ |
デルフィス社から発売されている人工海水。今回比較する人工海水の中では唯一の国産品です。使用している原料も国産のため、信頼性の高い製品だと思います。原料は岩塩や海水を使用せず全てケミカル(化学合成物質)を使用しているため、品質が安定しているともいえます。この製品の特長としては、pH緩衝能力が高いため、カルキ抜きがいらないという点が挙げられます。メーカー側はサンゴ水槽でも魚水槽でも使用可能としていますが、KHがかなり低いためサンゴの飼育では添加剤を入れることになると思います。価格は国産ということもあり少々高めですが、魚水槽ではコンディション良く飼育することができる良い製品だと思います。
製品ラインナップと価格設定は以下の通りです
- 25L(袋)1000円前後
- 100L(袋)2000円前後
- 200L(袋)2000円台後半
- 600L(業務用(200L用袋×3))7000円台
マリンアクアリウム専門店でないと置いていないイメージがあるので、店頭での入手性はあまり良くないような気がします。
レッドシーソルト
ゴミ箱として使用中(笑)
価格(安価であるか) |
☆☆☆ |
魚水槽での使用 |
☆☆☆ |
サンゴ水槽での使用 |
☆ |
溶けやすさ |
☆☆ |
保存性(固まりにくさ) |
☆☆☆ |
品質安定性 |
☆ |
MMC企画レッドシー事業部から発売されているレッドシーソルトです。紅海の海水を天日干しにして製造しており、天然由来の人工海水です。そのためか、品質にばらつきがあるように感じます。水質を計測すると、レッドシー社が公称している数値に及ばないことが多々あり、溶かした直後のpH(実測値)は8.0を上回ることがありませんでした。そのため敏感なサンゴは調子を落とすことがあり、東上的にはサンゴ水槽での使用を最もお勧めしない製品です。
製品ラインナップと価格は以下の通りです
- 10L(袋)300円台
- 60L(袋)1000円前後
- 120L(袋)2000円前後
- 210L(バケツ)3000円台前半
- 300L(袋)3000円台後半
- 660L(バケツ)7000円台
10Lの販売ロットがあり、小型水槽の水替え等にほんの少量を使いたい方には需要があるかもしれません。一般的なグレードの人工海水としては品質が高くない割に、価格が高いように思えます。
コーラルプロソルト
価格(安価であるか) |
☆☆ |
魚水槽での使用 |
☆☆ |
サンゴ水槽での使用 |
☆☆☆☆☆ |
溶けやすさ |
☆☆ |
保存性(固まりにくさ) |
☆☆☆ |
品質安定性 |
☆☆☆ |
MMC企画レッドシー事業部から発売されているコーラルプロソルトです。こちらはレッドシーソルトと同製法の人工海水に、サンゴ飼育のための成分を強化しているため、33.0ppt辺りCa450ppm、Mg1340ppm、KH12.2というサンゴにとって好適な配合となっています。値段はその分高くなりますが、サンゴを状態よく飼育でき、従来の人工海水に比べ成長も促進されます。水槽内の石灰藻も増え、水流ポンプ付近は石灰藻でびっしりになりました。溶けやすさはレッドシーソルト同様、少々溶けにくく白濁がなかなかとれませんが、溶け残りは少ないように感じました。
製品ラインナップと価格は以下の通りです
- 210L(バケツ)3500円前後
- 660L(バケツ)8000円台
この塩は、添加剤を入れなくてもサンゴを維持するのに十分なKH、カルシウム濃度を保持していますので、値段は高くなりますが添加剤を入れるのが面倒だという人にはお勧めです。
リーフクリスタル
価格(安価であるか) |
☆ |
魚水槽での使用 |
☆ |
サンゴ水槽での使用 |
☆☆☆☆☆ |
溶けやすさ |
☆☆☆ |
保存性(固まりにくさ) |
☆ |
品質安定性 |
☆☆☆☆ |
インスタントオーシャンでおなじみのアクアリウムシステムズから発売されている人工海水、リーフクリスタルです。現在使用中ですが、珪酸や混ぜ物が多いらしく茶ゴケの発生が多いです、そのため魚水槽ではコケの発生が多くなるため使用をお勧めしません。Ca濃度、KH等はサンゴ用を謳っていることもあり、高い水準でサンゴも調子よく飼育できています。いちばんの問題は、保管中に固まりやすいという点で、750Lバケツの半分を使用したところでガチガチに固まってしまいました。一旦固まってしまうと、溶かした際に溶け残りができるため、品質が劣化していると思われます。なんだか損した気分になります。
製品ラインナップと価格は以下の通りです
- 60L(袋)価格不明
- 120L(袋)価格不明
- 225L(バケツ)3500円前後
- 700L(カートン)8000円前後
- 750L(バケツ)10000円前後
SPS飼育ならリーフクリスタル。LPS以下ならばインスタントオーシャンでも十分だと東上は考えます。
総評
多くのマリンアクアリストが、綺麗な海から近い場所に住んでいるわけではありませんので、人工海水に頼ることになりますが、長期飼育になればなるほどその生体や水槽への影響が気になってくるものです。一昔前は粗悪な人工海水があったそうですが、現在ではどのメーカーも性能の高い製品を製造していますので、私の基本的な見解としては、魚やソフトコーラルを飼育する場合はどのメーカーの塩を使っても何ら問題は無いと考えています。各社からサンゴ用の成分強化された商品が出ていますが、それらの人工海水を魚専用水槽に使用しても、特にメリットはありません。むしろKH等が高い分コケが出やすいような気がしますので、魚水槽では一般的なグレードの塩を使用することをお勧めします。
サンゴ水槽ではサンゴ用に成分が強化された人工海水を使うことで、状態よく飼育ができますし、東上のように「添加剤?なにそれ難しそうだし、高いし別に使わなくていいや」という人は始めからリーフクリスタルやコーラルプロソルトを使っておけば間違いはないと思います。
今回は5つの銘柄についてインプレッションしましたが、現在使用しているリーフクリスタルが無くなり次第、別の銘柄を試してみたいと思います。
次は何にしようかな…やっぱりヴィーソルトかな、いやいやシーライフもいいな、やっぱり国産がいちばんだろ。
(※東上は国産品を贔屓目に見ているところがあります)
http://laytrack.blog.shinobi.jp/%E6%B5%B7%E6%B0%B4%E9%AD%9A%E9%A3%BC%E8%82%B2/%E4%BB%8A%E3%81%BE%E3%81%A7%E4%BD%BF%E7%94%A8%E3%81%97%E3%81%9F%E4%BA%BA%E5%B7%A5%E6%B5%B7%E6%B0%B4%E3%82%92%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%97%E3%83%AC%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3今まで使用した人工海水をインプレッション